認知症とは
認知症とは、脳の細胞がさまざまな原因によって障害を受け、その働きが低下することで、記憶力や判断力、理解力などの認知機能が低下し、日常生活に支障が生じる状態をいいます。加齢による物忘れとは異なり、認知症では体験そのものを忘れてしまったり、時間や場所がわからなくなったりすることがあります。また、症状の現れ方には個人差があり、ゆっくり進行する場合もあれば、比較的急速に進行する場合もあります。
疑われる症状
主な症状には次のようなものがあります。
症状チェックリスト
- 同じことを何度も尋ねる
- 約束や出来事を忘れる
- 日付や場所がわからなくなる
- 金銭管理や家事が難しくなる
- 判断力が低下する
- 意欲が低下し、外出や趣味をしなくなる
- 怒りっぽくなる、不安が強くなる
- 幻覚や妄想がみられることがある
認知症は早期発見・早期治療により、症状の進行を緩やかにしたり、生活上の困りごとを軽減したりできる場合があります。「最近物忘れが増えた」「以前と様子が違う」と感じたときは、早めにご相談ください。
認知症の種類
1. アルツハイマー型認知症
認知症の中で最も多いタイプです。脳内に異常なたんぱく質が蓄積し、神経細胞が徐々に障害されることで発症すると考えられています。初期には新しい出来事を忘れるなどの記憶障害が目立ちます。進行すると、時間や場所がわからなくなったり、日常生活に介助が必要になったりします。主な特徴は、物忘れから始まることが多い、ゆっくり進行する、同じ質問を繰り返す、予定や約束を忘れる、などが挙げられます。
2. 脳血管性認知症
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって脳の一部が損傷し、認知機能が低下する認知症です。障害を受けた部位によって症状が異なり、できることとできないことの差が大きいことがあります。主な特徴は、脳卒中の後に発症することがある、症状が段階的に進行する、手足の麻痺や歩行障害を伴うことがある、感情のコントロールが難しくなることがある、などが挙げられます。
3. レビー小体型認知症
脳内に「レビー小体」と呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積することで発症します。認知機能の変動が大きく、調子の良い日と悪い日の差がみられることがあります。主な特徴は、実際にはないものが見える(幻視)、注意力や集中力が変動する、手足の震えや動作の遅さがみられる、睡眠中に大きな声を出したり体を動かしたりすることがある、などが挙げられます。
4. 前頭側頭型認知症
前頭葉や側頭葉の神経細胞が障害されることで発症します。比較的若い年代で発症することもあり、初期には記憶障害よりも性格や行動の変化が目立つことが特徴です。主な特徴は、同じ行動を繰り返す、社会的なルールを守りにくくなる、感情表現が変化する、言葉が出にくくなることがある、などが挙げられます。
治療の流れ
ご本人、ご家族から生活状況などをお伺いし、認知機能検査、脳の画像検査、血液検査などを行い、総合的に診断、治療となります。治療内容としては、主に薬物療法を行います。なお、徘徊、暴言、妄想(物盗られ妄想)、幻覚、異食など認知症の周辺症状(BPSD)が見られる場合、入院治療を行うことも可能です。また、自治体介護保険担当課、高齢者支援担当課、地域包括支援センター、介護事業所、訪問介護、訪問看護、介護施設等と連携を図りながら、ご本人の介護度に応じて、介護認定調査や介護サービスの調整、施設入所支援などの環境調整も行っています。